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国連WFPサポーターEXILE ÜSAさん、ホンジュラスの支援現場へ

「飢える子、大至急なくしたい」視察前に抱負語る
, WFP日本_レポート

国連WFPは今年5月、ダンス&ヴォーカルグループEXILEのメンバー、EXILE ÜSAさんをサポーターに迎えました。

ÜSAさんはEXILEメンバーとして、高いダンススキルと圧倒的なパフォーマンスを披露してきました。テレビ番組「Eダンスアカデミー」(NHK Eテレ)の主任講師を務めるなど、老若男女に向けたダンスの普及にも熱心に取り組んでいます。

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インタビューに答えるÜSAさん。Photo: WFP

またEXILEの活動と並行して、2006年から「ダンスは世界共通言語」と題した個人プロジェクト「DANCE EARTH」を始動。これまで世界約20カ国を訪れ、貧しい子どもたちにダンスを教えるなどの社会貢献活動を続けてきました。昨年は国連WFPの世界食料デーキャンペーンにも参加し、SNSを通じて国連WFPの活動を広めて頂きました。

そんなÜSAさんは8月下旬、中南米・ホンジュラスを訪れ、国連WFPの食料支援現場を視察。出発前に、途上国での体験やサポーターとしての抱負を語って頂きました。

―国連WFPサポーターを引き受けた理由をお聞かせください。

これまで訪れた国では、楽しい事だけでなく悲しい光景も沢山目にしました。

一番印象深かったのはインドのバラナシです。物乞いの子がより哀れに見えるよう、手足を切り落とされたり、盲目にさせられたりという現実がありました。赤ちゃんたちも裸で、屋根のない場所で暮らしており、直視できないくらい心が痛みました。そんな中で自分に何ができるか、真剣に考えるようになったんです。

そして、自分は踊ることしかできない、ならばそれを通じて、世界から悲しい事を少しでもなくしたいと考えたんです。貧しい子どもたちが通う小学校を支援し、彼らにダンスを教えました。物乞いの子たちがストリートダンスチームを作ってお金を稼げたら、手足を切り落とされずに済むかもしれないし、貧困から抜け出すチャンスにもなるかもしれません。

僕はダンスを通じて、多くの夢をかなえることができました。これからは、世界の人たちを少しでも幸せにできる活動に、本気で取り組もうと思います。だから、国連WFPサポーターになったことは大変光栄です。

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世界各国で、子どもたちと接してきたÜSAさん。Photo: A-Works

-海外を旅する中で、最も思い出深い体験は何でしょうか。

技術とは違う意味での「ダンスの力」を教えられたブータンです。人々の幸せを願う「チャム」という踊りを地元のお祭りで踊ることになったのですが、30分~1時間延々と同じような曲が続き、覚えようとしても経験が全く通用しません。1日何時間も練習して何とか覚えたら、ダンスの先生に「あなたの踊りには祈りがない」と言われました。

技術ならいくらでも直せますが、踊りながら祈るってどういう事なのか、考えれば考えるほど分からなくなりました。

でも自信を失いかけた僕を、ホームステイ先の家族は、「あなたは絶対できる」と励ましてくれたし、村のお坊さんたちも「お祭り楽しみにしてるよ」と言ってくれました。会ったばかりの僕を信じてくれる人がいる、この人たちに喜んでもらいたい、とそれだけを思って踊ったら、先生に「それが祈りなんだよ」と言われました。

誰かのために踊ることで、ダンスの力に改めて気づき、自分自身の踊りも変わりました。それまではいかに格好よく踊れるかを考えていましたが、ライブでも見てくれる人のために踊るようになりました。すると彼らのエネルギーが自分に返ってきて、何時間でも踊り続けられると思える程のパワーをもらえるようになりました。

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タンザニアで、マサイ族の子どもたちと踊る。Photo: A-Works

―国連WFPの食料支援について、どう思いますか。

僕はダンサーなので、たんぱく質をしっかり摂って筋肉を作ることを心がけていますし、食べ物が身体作りにすごく大事だと実感しています。人は食べ物で命を維持できて初めて、勉強や仕事に取り組むことができます。食料支援は生きていくのに最も必要なものを届ける、重要な活動だと思います。

―国連WFPサポーターとして、やってみたいことはありますか。

現地の人たちとは言葉も習慣も違うけれど、ダンスで会話できる「ダンス語」のようなものを作りたいですね。あと今回の視察中、現地の人たちの「おいしい」がどんな表現なのかリサーチし、「おいしいダンス」を作ってみんなで踊ってみたいです。ガーナに「アゾント」という、日常生活をダンスで表現する踊りがあるのですが、こうした踊りもヒントにするつもりです。

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国連WFP協会の寄付付き商品「レッドカップ」と。Photo: WFP

―子どもたちに、どんな未来を渡したいですか。

未来を作るのは子どもたちですから、自分にできることは何でもしたいと思います。ダンスは道具がいらない無料の遊びで、どこでもできるし、決まりはありません。子どもたちが自由に踊ると、想像もしないような動きが出て、みんな天才じゃないかと思います。彼らにはぜひ、平和で幸せな世界を渡したいです。

地球には全人口76億人に十分な食料があるはずなのに、何億人もの子が飢え、死に至る子もいる。そんなことは大至急なくしたい。簡単なことではないけれど、1人1人が本気を出せば、絶対に実現できると信じています。そんなことも、サポーターの活動を通じて皆さんにお伝えできればと思います。

―国連WFPを支援する方々へメッセージをお願いします。

皆さんのご支援のおかげで、多くの命が救われていることを僕は確信しています。勝手かもしれませんが、僕は皆さんを、飢餓ゼロに向かって一緒に進む仲間だと思っています。これから支援現場の様子をしっかり見て、伝えていきたいと思います。よろしくお願いします。

ÜSAさんのホンジュラス視察については、後日報告会を開催する予定です。国連WFPの支援現場を実際に歩いた後の、ÜSAさんのお話にもどうかご期待ください!