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お腹を満たすことは、健康を保つこと

, WFP日本_レポート

国連WFPがウガンダでの食料配給中にどのように新型コロナウイルスから難民を守っているのか

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ビディビディの食料配給所に入る前に体温のチェックを受ける女性。Photo: WFP/Petroc Wilton

ビディビディ難民居住区での4月の暑く晴れ渡った朝:そこはウガンダ最大、国内140万人の難民のうち232,000人が住み、世界でも最大の難民キャンプの一つに数えられています。南スーダンからの難民であるメアリー・キデンは、国連WFPから毎月の食料支援を受け取っています。彼女は、最終配布ポイント(FDP)として知られる受け渡し所の1つに来ました。そこでは、新型コロナウイルスから彼女と彼女のコミュニティを保護するための一連の新しい対策が実施されています。

「最初私たちはこの新しい病気を非常に怖がっていました」とメアリーは言います。「しかし今は、新型コロナウイルスを防ぎ、私たちを健康に保つこれらの新しい方法に満足しています。」

WFPは毎月、ビディビディとウガンダのほぼすべての難民にこれらのFDPを通じて食料支援を実施しています。FDPには、フェンスで囲われた中央のテントにさまざまな食料のコンテナが積み重ねられた敷地があり、大人数の難民たちが身分証明をしたり不安を相談できるスペースも併設しています。配給に際しては、1日に何千もの人々に支援可能ないくつかの施設に沿って、受給者が密集した列ができます。それらは新型コロナウイルス拡散の温床となる可能性があります。

しかし、今朝の状況は-ウガンダで新型コロナウイルスの最初の症例が報告されてから数週間後-ここビディビディのヤンガニFDPでは違っていました。WFPは、食料支援を受け取る家族が安全に過ごせるように対策を講じています。

敷地外から始まり、人々は最低でお互い2メートル間隔に離れた短い列で、辛抱強く待ちます。メガホンを携えた難民コミュニティのリーダーが、各受給者を順番に、施設内外にある複数の手洗い場の先頭まで誘導します。入り口には、必須の温度チェック用のデスクがあり、近くに隔離テントがあり、高温やその他の新型コロナウイルスによる症状の可能性がある人を再検査できます(必要に応じて、医療パートナーや政府の医療機関に紹介されます)。

全てのWFP職員またはパートナースタッフは、マスクと手袋を身に着けており、自身と支援対象者両者を保護するのに役立ちます。また、「生産ライン」として設定されたプロセス全体を通じ、難民は定められた間隔を維持しながら、身元の確認を受け、割り当てられた各食料を順番に受け取ることができるようになっています。ほとんどの場合、これは床にチョークでマークをつけるような単純で実際的な方法を使用して行われています。

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床のシンプルなチョークマークは、ソーシャルディスタンスを維持するためにはどこに立つべきかを人々に示します。Photo: WFP/Petroc Wilton

受け取りまでは通常より少し時間がかかりますが、列に並ぶ難民は皆穏やかで辛抱強さを保っています。WFP、そしてウガンダ首相の事務所や国連難民高等弁務官事務所などのWFPのパートナーは、難民の指導者たちと数週間にわたり、これらの措置が講じられることをコミュニティに説明し、それがなぜ必要なのかの理由を説明してきました。

「私たちは、食料受け取り時のWFPが設置したソーシャルディスタンスの基準に感謝します。新型コロナウイルスからだけでなく、他の病気から私たちを守るのにも大いに役立っています。」と南スーダンから来た若い学齢期の少女、ユーニス・サンディは言います。「そして手洗い場もとても良いです。」

ヤンガニおよび他のFDPで実施されているすべての新しい措置は、ウガンダの多数の難民を新型コロナウイルスから保護するために、WFPとパートナーによって緊急の対策として設けられました。感染のリスクをもたらす可能性のある表面接触を回避することに重点が置かれています。たとえば、通常の指紋または虹彩のスキャン(各難民の受給資格を確定するために使用される)は、持ち主が難民であることを確認する書類または配給カードのバーコード・スキャン方法へ切り替え、一時的に停止されています。前述の確認方法は腕を伸ばして行うことで安全に実施可能です。

密接状態でくしゃみや咳をする人々が感染を拡散する危険を避けるために、難民同士が距離を取り近接を避けることも重要になります。1度あたりに提供する人々の数を減らすことは、国連WFPウガンダ事務所が食料を提供する125万人の難民すべての分配を完了するまでに数日余分にかかることを意味します。しかし、これは新型コロナウイルスが居住地に侵入または拡散する可能性を最小限に抑えるためには欠かせません。誰もが安全を確保するためにもう少し待つことをいといません。

これらのすべての対策は、ウガンダ政府とその保健省が主導する全国的なコロナウイルス対策と整合しています。WFPとパートナーは、このアウトブレイクの開始以来、国と地方政府の両方と緊密に連携しており、ウガンダの新型コロナウイルスに対するより大きな戦いへの効果的なサポートと手法の融合を確実なものにしています。

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手洗い場は食料配給ポイント全域に設置されています。Photo: Petroc Wilton

「コロナウイルスについてのニュースを聞いたとき、私たちは国の保健省からいくつかの指示を受け取ることができました」と、ヤンガニにおける現場での難民コミュニティリーダーであり食料供給を円滑に進めることに尽力しているニコラス・ロモロさんは言います。「現在、啓蒙と意識の高まりが続いているため、私たちはそれほど憂慮していません…。人々が状況に共闘できることをとても嬉しく思っており、私たちは示される指示に従っています。」

「人々は国内に新型コロナウイルスが広がっているため、それに適応した新しい食料配給システムを知っています」とニコラスさんは付け加えます。「配給を受け取りに来ると、彼らはそれほど心配していません。彼らは、取られている対策を負担とは考えておらず、新型コロナウイルスの予防に良いことだと考えています。彼らが入室すると、手を洗い、医療デスクに行き体温を測定します…これが、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐことができると私たちが感じる唯一の方法なのです。」